| 1 |  | ◆( 日本人の見方 )
◆中国南西部・四川省の江油市で、3人の若者による少女への暴行をきっかけに大規模な抗議が起きた。抗議の様子を撮影した動画がSNSに投稿された。中国では、共産党への反対や市民秩序への脅威と見なされる行動はすぐに鎮圧されるため、こうした抗議が起きるのはまれ。しかし、競争の激しい教育制度下でのいじめは、社会の神経を逆なでする問題となっており、昨年発生した殺人事件では、少年犯罪をどう扱うかをめぐって全国的な議論に発展した。
◆警察は4日、14歳の少女ライさんに対し、暴行と言葉による虐待を加えた少女2人を矯正教育施設に送ると発表した。警察によると、ライさんは頭部や膝などに複数の打撲を負い、その様子を周囲の人物が撮影し、動画をオンラインで共有したという。暴行に加わった3人目の少女については「批判と教育」を実施したと警察は説明。保護者に対しては「厳格な指導を行うよう命じた」としている。
◆事件をめぐっては、加害少女らに対する処分が軽すぎるとの不満がネット上で噴出。江油市市庁舎の敷地を囲む形で大勢の市民が集まり、抗議活動を行ったとみられる様子が映像で確認された。制服警官や私服警官の一団が少なくとも2人を強制的に引き離し、黒いドレスを着た女性を手足をつかんで連行する様子が映っていた。動画には「あちこちで市民を排除している」という声も記録されていた。
◆日没後に撮影された別の映像では、黒いSWATの制服を着た警官らが、交差点で少なくとも3人を制圧し、5日にはSNS「微博(Weibo)」で「江油市」がトレンドトピックの2位に浮上したが、その後、関連するハッシュタグは検閲された。
◆警察発表に寄せられたコメントのうち、最多の「いいね」を獲得したものには「判決が軽すぎる。だからこそ彼女たちはあれほど傲慢だったのか」とあった。地元当局は5日、学校でのいじめ事件に関して虚偽の情報を広めたとして2人を処罰したと微信(WeChat)で発表し、うわさの拡散に警鐘を鳴らした。
◆中国当局は昨年、注目を集めた殺人事件を受け、学校いじめの取り締まりを強化する方針を打ち出していた。 | 2025-08-06 20:02:20 |